水虫はとても辛い症状がでます。症状の中にも痒みや痛みなど様々なものがあり、それによって治療薬も変わってくるので、むやみにドラッグストアで治療薬を選ぶのは正解とはいえません。また、水虫が発生する場所によっても治療法が変わるのでしっかりと自分の症状を知った上で治療を開始する必要があります。

水虫が治った足と抗真菌薬のイラスト
ひどい水虫の男性
【目次】

中年男性の病気という認識の強い水虫ですが、実はストッキングにブーツやパンプスで常に足が蒸れた状態の若い女性達の間でもひそかに流行っている病気です。
水虫の原因となるのは白癬菌、というカビの一種の菌たちです。そのため放置していても自然治癒するどころか悪化していく一方です。たとえ恥ずかしくとも適切な治療を行うようにしてください。

痒みだけが水虫の症状ではありません。もしかしたら気づかないうちに自身も感染していることはありますし、爪にまで感染しているなら市販の塗り薬では治すことができないのです。
できるだけ早めに病院に行って診察してもらって、適切な薬を処方してもらうことをおすすめします。関係ないと思わず、ある程度の知識は持っておくことも大事です。

水虫の症状について

同じく水虫と言ってもどこに白癬菌が増殖するかで症状も治し方も違ってきます。

通常、人が思い浮かべるのが「し間型」と言って足の指の間にできるものです。特に第四し間、すなわち薬指と小指の間にできることが多いです。始めは赤くなり、そして白くふやけ皮が剥けます。痒みも伴います。液が出てジュクジュクする湿潤型が多いのですが、皮がはがれた部分の周りが硬くなり皮膚に亀裂が入ったりする乾燥型となることもあります。かゆさで我慢できず皮膚科を受診する方も多いです。

小水疱の水虫足の裏や側面といった体毛の無い部分にかゆみを伴う小水疱・膿泡が多数現われるといった症状を小水疱型と言います。小水疱の名の通り2ミリから3ミリ程度の小さな水疱なのですが、それが集合して大きな塊となることもあります。とても小さな水泡が足の目立たないところにできるため初期段階では気づかれないことも多いです。だからといってそのまま放置していると悪化してしまいます。こちらも強いかゆみです。ただかゆいからと掻いて水疱が破れてしまうと、細菌感染を起こして皮膚がかぶれてしまうこともあるので注意が必要です。初期段階だとかゆみがでてこない場合もあります。

白癬菌が感染するのは足だけとは限りません。全身に発症することもあるのです。感染した足を掻いて、そのまま他の部分を触ったことで自己感染するという場合もあるため感染者は注意が必要です。周りに移してしまう可能性だってあります。

特にかゆみを伴う場合、ついつい掻いてしまうことから手に感染することも多いです。こちらも足同様、角質増殖型・小水泡型・し間型に分類することができます。足と違って角質増殖型が多いです。やはりかゆみや水疱が出てこないため気づかないうちに悪化していることもあり注意が必要です。

「しらくも」も同じ白癬菌が原因

白癬菌一般的には「しらくも」と呼ばれる病気も実は白癬菌が原因です。髪の毛に感染して頭に発症しているのです。最近では稀だとは言われているものの感染者がゼロというわけではないため気をつけましょう。こちらもかゆみは出てきません。円形脱毛症のように髪の毛が楕円形に脱毛するのです。皮膚の表面にはピンクの鱗のようなカサカサが出てきます。完全に脱毛することなく、一部が薄くなったりフケが発生したりといったケースもあります。育毛剤を使用したり薄毛対策をしても関係はありません。原因は白癬菌です。

股間やおしりに強いかゆみを生じるいんきんたむしもあります。かゆいからといって掻いていると色素沈着が起こって黒ずんでしまうので薬で治療するようにしましょう。それ以外の全身に発症したらぜにたむしです。円形や楕円形の発疹が広がります。円の縁はピンク色でうろこのような見た目から輪癬と呼ばれることもあります。

足の指だけではなく爪に感染することもあります。爪水虫です。こちらもかゆみはなく、爪が変形したりボロボロになっていったりするのです。

痒くないから大丈夫、足ではないから大丈夫と思わず、何らかの変化があれば病院で診てもらいましょう。適切な薬物治療を行えば症状は改善、あるいは完治します。早ければ早いほど白癬菌は広がっておらず完治までが早いです。

水虫と言っても痒みを伴うものばかりではありません。角質増殖型の場合、水疱やかゆみといった水虫ならではの症状が現れないため気づかれにくいのですが、実は同じく白癬菌により起こっている症状です。こちらは、足の裏、とくにかかと部分の角質が厚く硬くなります。そして表面がざらざらになって皮が剥けていくのです。粉をふいたような状態となります。乾燥することでひび割れを起こすこともあります。もしもかかとがかさ付いてきたら水虫にかかっているのかもしれません。白癬菌が原因となっている以上は、たとえ保湿を丁寧にやったり角質クリームを塗ったとしても症状が改善されることはありません。

爪水虫は塗り薬では治せない

女性にも増えているとは言っても、やはり水虫というのは恥ずかしい病気の一つです。病院に行くのは抵抗があるからとドラッグストアや通販サイトを通じて薬を購入するのでもよいでしょう。ただし治し方に一つ注意点があります。爪水虫だけは違った方法でしか効果が得られないのです。

通常の場合、使用されるのが塗り薬です。ラミシールなどが有名です。ラミシールの中には殺真菌成分が入っており白癬菌を根絶やしにすることができるのです。場所によっては痒みを伴う場合もあるため、痒みを抑える効果のある成分が配合されているものを使用してください。

カビ菌というのは高温や低温に弱いため冷水や氷水に漬ける・殺菌効果のある酢水や緑茶に漬ける・消毒用のエタノールや重曹を使用する、といった方法もあるものの完治にいたることはありません。
たとえ冷水や氷水に漬けても白癬菌は死ぬわけではなく眠っているだけですから、その間は痒みが消えるもののまたしばらくすると活発に動き出しますし、酢水や緑茶の殺菌作用も濃縮させてから使わないと必ずしも効果は得られないのです。

エタノールや重曹が皮膚の奥に潜んでいる白癬菌まで退治することはできません。
自然由来の成分だと副作用も少なく安心ですが、菌を完全に死滅させるほどの効果はないため、とりあえずの痒みを抑えるために利用する程度に留め、きちんとそれぞれの症状に合った薬を手に入れるようにしましょう。

それぞれに合った治療薬を患部に塗っていればいつか白癬菌が死滅して完治します。ただ、表面に塗るだけだと爪の中に潜んだ菌まで浸透することはありません。そのため爪水虫は塗り薬ではなく飲み薬を服用するのが一般的です。10人に1人は爪水虫を発症していると言われます。とはいえドラッグストアや薬局で売られているのは塗り薬ばかりなので注意してください。病院に行かないと治せないのです。

飲み薬が売られていない理由

飲み薬が売られていないのには理由があります。副作用があるのです。真菌を殺すだけの強さがあるその成分は肝臓の機能への影響も大きいです。肝臓はたとえトラブルが起こっても自覚症状を感じにくい器官のため定期的な血液検査も必要となり、医師と共に治さなければならない病気というわけです。胃部の不快感や下痢・吐き気・腹痛といった消化器系の異常が起こる可能性も高いです。妊娠中であったり授乳中の方は使用が禁止されています。

たとえ健康な状態の人であっても、血液検査で異常があったり下痢や吐き気が起こり始めたときには使用が中止されることもあります。取り扱い注意の薬だからこそ医師の介入がないと手に入れることができません。ただし、医師の指示通りに用法用量を守って服用していれば、爪の間に入り込んでしまったような強力な白癬菌であっても退治することができるため安心してください。それに、たとえ副作用が起こったとしても使用を中止さえすればその後に症状が残ってしまうような心配はありません。

その他にも、元々肝機能に障害のある方・障害があったという方や妊活を行っている女性・子供・高齢者・相性の悪い薬を常用している方、など副作用が出やすいと分かっている方や影響を受けやすいという方は処方されることはありません。ただし、男性の場合は妊活中でも服用することができます。

塗り薬では治せないと言われる爪水虫ですが、このように使用できる方が限られるため、それ以外の方はODT療法という方法が使われます。爪を柔らかくする薬を一緒に使用し、更にその上からラップのようなもので覆ってやることでできる限り塗り薬の浸透力を高めながら行うのです。ただ塗るだけよりは効果が高いです。

とはいえ、爪が生え変わるまでの速度を考えても数ヶ月で完治させることは難しく、たとえ内服薬でも最低で半年以上、ODT療法ならそれ以上かけて続けていかなければなりません。一度発症すると治るまでに時間のかかる病気なのです。

水虫は放置するとどのような影響がある?

恥ずかしいからとついつい行ってしまうのが放置です。特にかゆみを伴わないようなタイプの場合にはこの傾向が強くなってしまいます。それから多いのが、完治する前に薬の使用をやめてしまうことでしょう。表面的にはきれいになったように思えても、爪や皮膚の内側に白癬菌がまだ潜んでいるという状況は多く、薬をやめてしまったことでまた復活して元気になり、再繁殖してしまうのです。
かゆみだけでなく、カサカサしたり、髪の毛が抜けてきたり、水疱が現われたり、なんらかの異常が出てきたらすぐに病院に行くようにしましょう。そして医師がもう薬の服用をやめてもいいと判断するまではずっと使用し続けることをおすすめします。

それではもしも放置しているとどのような影響があるのでしょうか。

初期段階ではかゆみが出るタイプであっても、それほどひどくはありません。なんとなく違和感を感じたり、むずむずしたりという程度です。ピリピリとした感覚を感じることもあります。白癬菌が侵入すると皮膚に含まれる成分・ケラチンが溶かされます。そうしてできた代謝物が真皮層まで入り込んでいくのです。これを排除しようと体内で化学伝達物質が作られ、真皮の血管や神経が刺激されるというのがかゆみのメカニズムです。

放っておくと白癬菌はどんどん皮膚の奥深くに入り込んでしまい、排除しようという働きも強くなっていくのでかゆみは強くなっていく一方です。日常生活に影響を与え始めたり、夜も眠れなくなってきてしまっては大変です。睡眠不足はお肌や体の健康まで奪ってしまいます。それに痒いからと掻いていると皮膚が傷つきますし、他の部位にも発症することも。家族への感染拡大のリスクも高まります。

足を切断するほどの重症にもなる

たかが水虫と思われるでしょうが、足を切断しなければならなくなる事態が起こる事だってあります。
とはいえ、命を落とすようなことはありません。白癬菌は皮膚の角質層にしか生息しないため、どれだけ繁殖していっても内臓や器官を犯すようなことはないのです。しかしながら、荒れた皮膚から侵入してきてしまう別の菌によっては重篤な病気にならないとは限らないのです。

皮膚が剥けたりして免疫力が落ちた患部はブドウ球菌などの化膿菌が入り込むこともあります。そうなると患部は腫れ上がり、ちょっと何かに触れるだけでも激痛が走るようになってしまいます。特に足の指の場合、体全体の重みも支えている状況で歩かなければならないのですから痛みは強く、まともに歩くこともできず入院して治さなければならないような事態が起こることもあるのです。
糖尿病を併発しているような方は特に要注意です。動脈硬化を起こし、血流も悪くなり、白血球の働きが弱くなっている状態です。化膿菌が入ってくると抵抗力が弱まっているためどんどん侵略されていってしまいます。その結果、足の指が壊死してしまうことだってあるのです。

リンパ管炎になり、リンパ管の周辺の皮膚や組織が炎症を起こして腫れ上がり、寒気や発熱・頭痛といった症状が引き起こされることもあります。

水虫でかゆくてもブーツやパンプスを履いているとなかなかボリボリ掻くこともできません。発症していることがばれてしまうからです。フケのようなものが出たり、脱毛したりといった変化もあり、恥ずかしさやストレスを感じることも。ストレスもまたさまざまな病気を引き起こす原因となってしまうのです。人と会うのがいやになったりコンプレックスは精神面にも深い影響を及ぼします。
もちろん、水虫だからといって死ぬことはありませんが、心にも体にも大きな影響を与える病気であることは間違いないのです。

菌が原因である以上は、放置していても自然に治ることはなくどんどん悪化していく一方です。早めに対処すればそれだけ早く完治します。早期発見・早期治療で、完全に治るまできちんと薬を使用することをおすすめします。

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